今回は、「基礎医学が面白くない理由とその対策」を書いていきます。
基礎医学とは何か
基礎医学とは、「医学の基礎」です。対として使われる言葉として「臨床医学」があります。臨床医学が「臨床の場で使われる医学知識」です。
臨床の場で起きることの、根本の理解を学ぶのが基礎医学です。
- 解剖学
- 生理学
- 薬理学
- 免疫学
- 病理学
- 生化学
- 微生物学
等がメインです。例えば、臨床の場に行けば、「どこに難の骨があり、動脈がどう通っているか」は常識にしておかなければなりません。そのような知識を基礎医学で学びます。
ただ、それぞれの分野ごとに、独立して発展している側面もあるためボリュームはとても大きいです。例えば、生化学では、「新しいタンパク質見つけました!」とかやってます。臨床の場では、それだけでは何も使えません。そのタンパクに作用する薬か何かができて初めて、「臨床の知識」となります。ただ、臨床の進歩のためには基礎医学の進歩も欠かせず、基礎医学はずんずん進歩していきます。
そのため、ボリュームがとてもでかいです。
基礎医学が詰つらない理由
では、つまらない理由はなんでしょう。理由としては
- 臨床の現場のどこで生きてくる知識なのかが分からない
- 意味が不明(専門用語が多い)
以上二つがあると思います。それぞれについて見ていきましょう。
臨床の現場のどこで生きてくる知識なのかが分からない
「医学部入学!さて、医学を学ぼうか」と思った1年生の春、始まるのは一般教養科目(あまり面白くない)。勉強へのモチベーションは低下し、勉強の習慣も抜け落ちます。そして2年生!「やっと専門課程の勉強だ!医学学ぶぞ!」と思いきや、習うのは基礎医学。
医学であることには変わりないが、
- 「この知識が、人助けの何につながるのか分からない。」
- 「俺は、〇〇医になりたいのに、こんな知識がなんの役に立つのか。」
- 「先輩も基礎医学はただ意味ないって言ってた。」(確かに、基礎医学の先生は、時に自分の話したいことばかりを話している。主に自分の研究内容とか。つまらない授業である。聞く価値はないがなぜか試験範囲になる。臨床に出れば基礎医学が無意味と言われる所以である。)
このような批判を受けながら医学部生の医学への興味はすたれていくのであります。
言葉の意味が不明(専門用語が多い)
更に基礎医学のつまらなさに拍車をかけるのが「専門用語の意味の不明さ」です。
とにかく覚える量が多いのと、覚え方に規則性がありません。骨の名前などは「知ってなきゃだめだけど、こんな骨の名前どうやって覚えるの?」という事態になっています。カタカナ単語も多いです。薬理などはカタカナばかりで習うから意味が分からないです。覚えるのが大変です。
時にカタカナ語(英語)は日本語に変換してくれてたりしますが、日本語に直したせいで余計に単語の意味がわからなくなってしまっている時まであります。
授業も暗記中心の話ばかりになります。すると「授業を受けるより一人で暗記したほうがはやくない?」となり意識はさらに低下します。つまらなく感じます。(授業も基礎医学も。)
このような現状です。授業の中では、先生は時に大切な話をしているものの、「つまらない授業」に耳を傾ける学生は少ないでしょう。授業を聞く人数は日に日に減ります。そのため、授業についていけない者も出てきます。そうなると更に「基礎医学が本当につまらなく」感じるようになるのです。
基礎医学のつまらなさ対策
臨床に結び付けて覚える
基礎医学の中でも「臨床に使われている」知識は山のようにあります。「あ、この知識が、この分野の臨床現場で使われているのね」と考えながら勉強することにより、基礎医学も楽しくなるでしょう。
割り切って楽しむ
「基礎医学は基礎医学で学ばなければならない」と割り切って勉強することも大切です。
私は、進級してから、改めて昔の学年の参考書を開いて見ました。(その時がその科目の教科書を開いた初めての瞬間だったりする。)
意外と面白かったりします。
試験のプレッシャーやつまらない授業のせいで、基礎医学はつまらなく感じますが、独学で楽しみながら勉強すると、基礎医学も楽しかったりします。
授業から離れて勉強してみても面白いかもしれません。
楽しまないで耐える
これが一番多くの人に似あった、基礎医学の乗り越え方です。
耐えましょう。ただただ試験勉強をして、耐えて、進級しましょう。進級した先には大好きな臨床医学が待ってます。
臨床医学もつまらないかもしれませんが、医師になって働きたいなら、基礎医学程度の壁は乗り越えなくてはいけません。耐えて耐えて耐え抜いて、基礎医学をすべてクリア(試験をパス)していきましょう。
時には「臨床と結びつける」「独学で勉強する」ことで基礎医学を楽しんでみても良いかもしれません。