大学受験

毎日に疲れた~あなたの気持ちはどこへ?~外的/内的注意

長い前ふり

さて問題です。あなたが今見ているものについて説明してください。

簡単ですね。私の文章を読んでいます。

では、「今まで生きてきた人生を振り返ってみましょう。」もしくは「自分の将来について考えてみましょう。」

こういわれたら、少し考えますね。

これらの質問に答えるとき、僕たちは「自分で考えて、答える」という作業を頭の中でします。しかし、最初の質問と、あとの二つの質問では、頭の使い方が違います。

「考える」という同じ作業をしているようで、実は脳の活動は全く別のことをしているのです。

どういうことか、見ていきましょう。

頭の使い方の違いー注意制御

かっこいい言葉で言うと、最初の質問(「あなたは今、何見てる?」)では自分の外の環境に対して注意を向けていて、後半の質問(「あなたの将来の夢は?」など)では自己の内面に視点を向けています。

サイエンスではこれらの違いを外的注意内的注意という言葉で区別します。

外的注意

さらに面倒くさいことに、外的注意にも二つあって、外的注意には、選択的注意探索的注意があります。

選択的注意とは、例えば授業中に、授業に集中していること。これは選択的注意です。自分で聞こうと思って授業を聞いています。

逆に、探索的注意は、自分で意図しない注意です。たとえば今、「おい○○(自分の名前)」と呼ばれたとします。とりあえず、何も考えず、そっちの方向を向きますよね。これが探索的注意です。

以下興味ない人は読み飛ばして!

  • 選択的注意では外側前頭前野ー頭頂連合野
  • 探索的注意では外側前頭前野ー頭頂連合野

という脳の場所を使って反応しています。

内的注意

内的注意は、外的注意と拮抗します。つまり、授業に集中しながら、「昨日の夜ごはんおいしかったなあ。今日の夜ごはんはなんだろう。」と考えることはできません。

逆に、「夏休みなにしよっかなあ」なんて考えているときは、あなたは目の前の景色を「ボケー」っと見ているに違いありません。

内的注意は外的注意と拮抗しているわけです。

注意を向けているときは、脳の部分で言うと(腹背)内側前頭前野ー頭頂連合野をつかっているとされています。

 

外的注意と内的注意

外的注意と内的注意は拮抗していると言いました。片方の注意をしているときは、もう一方には注意していないわけです。

この注意の切り替えをどこでするか?

この切り替えをしているところが側頭頭頂接合部(TPJ)です。

はい。いきなり難しい言葉を使いました。興味がない人は読み飛ばしましょう。

ただ、これは知っておいてほしいです!

この頭の切り替え、つまり

  • 時々、内的注意を払い、自分について考えたり
  • たまに外的注意をはらい、外の景色を見る

この頭の切り替えができない人がいます。

特に内的注意ばかりに注意を払う人が一般的に言ううつのひとなんです!うつのひとは、内的注意ばかりに目を向けてしまっているのです。

毎日に疲れたあなたへ

さて、ここまで、読んでくださりありがとうございます。ここまで読まれた方は、外的注意、特に選択的注意を僕の文章に向けているわけです。なので、うつではないですね(多分)

しかし誰しもが、常に目の前のことに集中できるわけはありません。

疲れてしまったとき、人間関係に悩み、「どうしてあの人は・・・・」なんて考えてしまったとき。(内的注意で考えているとき)毎日に疲れたとき。外を見てください!

外的注意の目も持つようにしましょう。ビルが並ぶ街を歩いていてもなかなか気が付きませんが、空は青くて美しいです。雨が降っていても、その雨が落ちる様子は美しいです。

身近にこんなに美しいものがあるのに、それなのになぜ、人間関係ばかりに目をやるのか。テストのことばかり考えてしまうのか。

疲れ果てて何もしたくないなら、外を見ましょう。空を見ましょう。

そうすればきっと少しは気分が晴れるはずです。景色が嫌いなら、他のなんでもいいです。外的注意の目を持ちましょう。

遠足とかピクニックとかも、多少幼稚じみているようですが、やってみるといいかもしれません。(以上、自分が試験前で疲れた時、言われた言葉を参考にして)