今回は「医学部共用試験」であるCBT、OSCEについて書いていきます。また、「Student Doctor!」という存在についても書いていきます。
「医学部共用試験」であるCBT・OSCE
概要
CBT・OSCEはそれぞれ、試験の名前です。特に、医学部共用試験の名称です。それぞれ、以下の略語になります。
- OSCE:Objective Structured Clinical Examination(客観的臨床能力試験)
- CBT:Computer Based Testing
「共用試験実施機構」という独特な組織が試験を統括しています。
平成30年度は受験料が25000円でした。(試験1つに意外と高い!)
主に、医学部4年生の夏~冬の間に実施されます。
この試験は、「全ての医学部生」が受験します。
どちらの試験にも合格しなければ、5年生に進級できません。
OSCE
OSCEは「診療参加型臨床実習前に身に着けておかなければならない技能(診察手技等)や態度が試される試験」と定義されます。
OSCEは医学部生の間では「お医者さんごっこ」とも揶揄されます。(極めて洗練されたお医者さんごっこ….)
学生が、「お医者さん見習い」として働く技能があるかを調べる試験です。
この試験を乗り越えると「病院で、医者っぽくふるまえる」ことが保障されます。
CBT
CBTは「コンピューター画面上で、それまで学んだ内容が出題される。診療参加型臨床実習に不可欠な医療知識が試される試験」と定義されます。
CBTはいわゆる「ペーパーテスト」です。
「病院で働くために必要な知識持ってますか?」って試験です。医学部1-4年生の間で学んだ内容全てが試験範囲になる試験です。
CBTは学生一人一人に対して、コンピューターがランダムで問題を提示します。そのため、学生一人一人で出題される問題が違います。(カンニングなんて全く不可能な試験になります!)
運転免許で例えると
- OSCE:実技試験(仮免許試験)
- CBT:ペーパー試験(仮免許試験)
みたいな感じです。(本試験は国家試験になります。)
難易度
難易度は「正直高い」です。
合格自体は難しいわけではないですが、試験範囲が、4年間の学習内容すべてになるため、勉強量は多いです。合格のためには、一夜漬け勉強などはできません。長期間勉強を重ねることになります。(長い人は半年。短い人でも1か月近く)
CBTは一日かけて行います。(試験時間1時間×6)ここまで時間をかけた、一日がかりの試験は、学部生みんな、受験のセンター試験以来なので、正直めちゃくちゃ疲れます。集中力を維持し続ける人はつわものかもしれません。(computer baced testなだけあり、コンピュータの問題を解くため、目が疲れます。)
Student Doctor!
はれてOSCE/CBTに合格すると、
- 病院である程度の手技ができる(見習いくらいにはなれる)
- 病院で実習ができるだけの知識がある程度はある
という技能・知識が保障されることになります。
ここで、医学部生は「Student Doctor」として病院で実習をします。
実際は、知識も技能も、本物の医師に全く及びません。
それまで(医学部1-4年の間)の勉強は「机上の勉強」だったのです。5年生以降はStudent Doctorとして「実際の現場」に出ることになります。