医学部事情

医学部不正入試~女子差別と浪人差別は同列に語られるべきではない

医学部に不正入試が連日報道されるようになりました。内容としては

  • 文科省の役人の子供の裏口入学と、国から大学へのお金が移動
  • 入試における女子差別
  • 入試における浪人生差別
  • 入試におけるOB・OGの子供の優遇政策
  • 入試における寄付金と入試の点数

以上のようなものです。今回は入試における「浪人生差別」と「女子差別」について、書いていきます。

背景

関東圏の私立大学の医学部でで2018年、入試に不正があったと報告されています。そこでマスコミは色んな人に意見を求めます。「この入試の不正についてあなたはどう思いますか?」

  • 浪人生「憤りを感じる」(浪人差別に対して)
  • 女子「憤りを感じる」(女子差別に関して)

これを見て、「両者が、同じ入試不正に対する意見を言っている」と思ったら大違いです。

「浪人差別」は差別でない

浪人生は昔、優遇されていたはず

浪人生も昔は(現役生のころは)優遇されていただろ!!

僕が言いたいのはこれです。

「医学部入試で差別を受ける浪人生」が現役生の時(高校生の受験生の時)に、医学部を受験していなかったのなら話は別でしょう。ただ、もし、彼が、現役時代、医学部を受験していたとしたらどうでしょう。

「高校生だった時の彼」は入試で、「現役生である」という理由で、有利に点数が動いていたはずです。自分も昔は得をしていたのに、差別というのはおかしいでしょう。

年寄りが、若い人を見て、「なんでお前たちは、そんなに元気に走り回るのだ!おかしいだろう!」というくらい意味不明な「差別批判」に僕は感じます。

現役生と浪人生が同等だと思うな

そもそも現役生と浪人生が同等と思う方がおかしいです。(適当な具体例を挙げると)

  • 高校3年間で勉強してきて、試験で400/500の生徒
  • 高校3年間+浪人生時代2年間、勉強してきて、試験で401/500の生徒

「2年間も余計に勉強したのに、1点しか差をつけられないのかい!」と言いたくなります。

「入学試験」で「入学試験当日のパフォーマンスで合否を決める」と考えるのなら、401点とった学生を合格させるべきですが、「本学にふさわしい学生を入れる」という観点では、前者の(400点の現役生)の方が優秀ですから、現役生を有利に働かせたい学校の思惑は仕方のないことです。

「今回の争点はそこじゃないだろ!」

確かに、今回の入試の差別問題の争点はここではありません。「入試の要綱に、『浪人生は現役生より不利です』と書いてあるなら差別してよいが、書いていないのに、陰でこそこそ点数操作するのはおかしい」というところが争点です。

上記にした僕の議論も、争点は少しずれているでしょう。ただ、「現役生と浪人生」で差をつけること(浪人生差別)と「性別」で差をつけること(女子差別)は大きく異なるという点は感じてほしいです。では、女子差別について見ていきましょう。

逆に女子差別は真の差別である

逆に女子差別は、あってはならないものでしょう。

「女子である」「男子である」といったような「生まれながらに備わる特性」を理由に人を判断したり、評価したりすることはいけません。あってはならない入試差別であると思います。(個人的には)

「現役生vs浪人生」の差別は、「一定程度、浪人生にも非がある」ものです。ただ、女子差別は、女子には非はありません。現代社会の常識にそぐわない考えです。(それが良いか悪いかの議論はここではしませんが。)

まとめ

入試における浪人生差別と女子差別は同列で語るべきではない