大学受験

[医学部生直伝]受験生の親が子供の合格のためにすべきこと・できること・控えること

今回は、これから大学受験を迎える人の「親」にあてたメッセージです。受験生の視点で書かせてもらいます。

最初に強調しておきますと、「(子供からしたら)お母さんには●●してほしい」といった親子会話は受験が苛烈になる前に(冷静な状態で)したほうが良いです。

受験生本人の方は、記事後半の「受験生本人へ」をお読みください

最初に注意事項

親子関係というのはご家庭により様々です。ぶっちゃけ、虐待でも起きていない限り、親子関係に他人がごちゃごちゃ口出しすることでもありません。

以下に述べる考えはあくまで「僕個人の意見」です。1つの意見として参考にしていただけると幸いです。

親子関係はどの形?脳科学的分類 

受験生の親とは

親はすごいです。親子というものは素晴らしいものです。親子関係というものは、どこにいっても、絶対に切れないもでしょう。

僕は親になったことがないのでわかりませんが、自分の子供が初めて幼稚園や小学校に行ったときは、どんな気持ちになるのでしょうか?

高校受験や大学受験の年齢まで、子供を育て上げているお父様、お母様はとてもすごいなと、素直に尊敬しています。

僕もいままで色んなところで、親に支えられたと思っています。

大切な子供の受験となると、合格してほしいですよね。頑張ってほしいですよね。

ただ、今回は厳しめに言うと「親は黙って子供を見てろ」って話なのです。

大学生⇒親離れへ

大学生になったら、子供が1人暮らしを始めるご家庭も多いのではないでしょうか。

今後、受験を乗り越えていくたびに、中学生・高校生・大学生・社会人となるにつれ、子供は独り立ちしていくのです。

だから、言ってしまえば、「(大学)受験」は子供が親離れをする一つのきっかけです。飛行機が飛び立つ滑走路のようなものです。

親から離れていく、最後の最後まで親に尻を叩かれていては、子供はいつまでも独り立ちはできません。(最近は「親の子離れ」が問題にもなっているようです。)

(大学)受験の時は、子供をガミガミ叱るのではなく、見守って、旅立ちを送り出してあげてほしいと思います。

具体的に何をすれば?

子供のために親にできること

では、子供の受験合格のために、親にできることは何でしょう?

僕自身の結論から書くと、「何もしない」というのが答えです。何もしなくて良いのです。

子供の受験を少しでも応援してあげたい気持ちは分かります。受験生の立場にいると、親の「がんばれオーラ」は感じます。

僕自身、受験生の時に、親に、「僕、自分でいろいろ考えながら受験乗り越えるから、あんまり口出ししないで。」と宣言していました。「放置しておいてくれ。」とも言いました。ただ、親の「応援パワー」は感じていました。

何も口に出して応援されなくても感じます。子供はわかっています。だからこそ、むやみに何かをする必要はないです。

受験生がプレッシャーを感じているとき、親はプレッシャーを除いてあげようとしてくれたりもします。しかし、それは後々、逆に負担になったり、妙なプレッシャーを作ったりします。

プレッシャーを乗り越えさせろ

プレッシャーについて話を広げますと、「受験のプレッシャーは自力で乗り越えさせる」というのが大切です。

(大学)受験と言えば、人生の岐路になるところです。

受験の試験開始、否、試験終了の時まで、受験生はプレッシャーを感じています。(体験談として、僕は試験中、手が震えたことがあります。)

試験前に無理矢理励まして、一時的にプレッシャーを取り除いても、

  • 試験会場に向かう道中
  • 試験の間の休み時間
  • 試験中

いつでも、また、プレッシャーはやってくるのです。

試験前、試験中なんてのは、親は子供を助けてあげられません。

子供が自分で、プレッシャーを乗り越えなければならないのです。だからこそ、自分でプレッシャーを乗り越えられるようにしておくべきです。

見はなすわけではない

ピンチになったら助けて

ただ、「何もするな」と言っても、「見はなせ」というわけではありません。受験生がつぶれて、助けを求めてきたとき、助けてあげてください。

ただ、求められていない時に、助けてあげるのはなるべく控えてください。受験でつぶれかかっているときは、受験生は成長するチャンスです。

個々の距離感はすごく難しいものがあると思います。自分も親になったら、子供とうまい距離感を探るのは難しいと思います。ただ、受験生経験者として、心に残っている言葉もあります。

「大変な時はいつでも頼っていいよ」

子供にこの言葉を伝えてあげておいてください。それだけで、「いつでも頼れる人がいる」安心感があります。

追記

無理のない限りで、受験生が勉強しやすい環境を整えてもらえれば、受験生は大いに助かります。言葉よりも、「環境」を作ってあげることでも、子供は「がんばれエール」を感じます。

子供の選択も見守る

志望校選択の場などでは、親は子供に対して、

  • 「安全策」をとらせようとしてしまったり、
  • 逆に、「挑戦」させようとしたりもしてしまう

ことが多いです。受験における判断は、なるべく、子供に判断させてあげてください。

ここの判断は子供が「自分で」選択することに意味があるのです。

大学で人生が変わることがあります。

親が子どもの大学を決めるという事は、親が子どもの人生を決めるという事です。親はそれでよくても、子供は後々後悔することにもなりかねません。自分の人生を左右させる決断は、なるべく、自分で決めさせてあげてください。(ただ、受験・また入学以降のお金の負担を考えると、親が多少の口出しをする権利はあるし、子供はその指示に従う義務も発生しうります。)

受験生本人へ

口出ししてほしくないなら初めに言っとけ

「親に口出ししてほしくない」という受験生がいます。

ただ、その口出しは親御さんが、あなたに良かれと思ってアドバイスしているのです。

大人と子供の決定的に違うところは、「人生経験」です。

どんな才能があっても、人生経験においては、子供は親に勝てません。

自分が親に、黙っていてほしいなら、今日、今、親に宣言しましょう。

「自分はこれからがんばる。これからどんな結果になっても、自己責任として、自分で頑張っていく。だから、つまづいても、頑張る。そんなときは、横槍さしたりしないで見守っていてほしい。どうしてもだめだと思ったら言ってください。また、僕自身どうしようもないくらいにへこたれたら、助けてください。」

こう言っておきましょう。

親は意外と理解してくれるものです。(愛でしょうか)

何も自分の考えを親に伝えないで、「うるせー口出しすんじゃねー」なんて甘ったれが言うようなセリフは言わないように。

ちゃんと、親子のコミュニケーションはとっておきましょう。

勉強させてもらえるだけありがたいと思え

受験生っていうのは、ナイーブなくせに偉そうなもので、「受験生の自分に皆合わせろ」なんて思っていらっしゃる方がたまにいます。

図書館で、受験生が「席取り」なんてしているのも、そんな考えの表れだと思います。「勉強してるんだから、多少周りに迷惑かけても、別にいいでしょ。」

こういう考えはくずです。

勉強させてもらっている身で、偉そうにするなと言っておきます。

別に、大学行く人なんて、日本でも全人口の半分もいます。

そんな中で、「受験勉強」なんてお金がかかる物をやらせてもらえているだけで、感謝しなければなりません。感謝しましょう。

受験が終わったら、ちゃんと、皆さんにありがとうと伝えておきましょう。合格後は浮かれて、そういう感謝の言葉を忘れがちです。

あきらめるな

受験ではチャレンジするのもいい

志望校を諦めるってのも、個人としての判断で結構ですが、大学合格後の人生は長いです。(僕自身は安易な考え、「現役合格したいから」と志望校を下げて、入学後に後悔しかけたこともありました。自分の決断でなければ、ものすごく後悔していたと思います。自分で決めたからこそ、納得しています。)

決して後悔のない受験をやり遂げてください。頑張ってください。