医の倫理学

医の倫理学11-0~ドーピングはなぜ禁止?スポーツの価値とエンハンスメント

スポーツのニュースについてまわるドーピング。今回は「どうしてドーピングはいけないのか?」について考えます。

今回の記事では途中、ドーピングを擁護する意見も書きますが、当ブログとしてはドーピングには反対です。意見の一つとして擁護させていただきます。ご了承ください。

ドーピングはいけないのか?

どうしてドーピングはいけないのでしょうか?ここでの一つの見方として、エンハンスメントがあります。

エンハンスメント

定義

定義としては、「何らかの疾患に対してではなく、『正常』に働いている人間の身体や心理に直接介入して、それらを変化させるという形で、生来の素質や活動能力を強化し、向上させるために、バイオテクノロジーの力を直接使う事」と定義されています。

ドーピングというものは、元気なスポーツ選手に対して、

  • ステロイド
  • 血小板

などバイオテクノロジーの産物を、生来の素質や活動能力を強化し、向上させるために使っているためエンハンスメントの一つと言えます。

なぜエンハンスメントはダメなのか

エンハンスメントへの批判としては、

  • 安全性の問題バイオテクノロジーが安全かどうかわからない
  • 公平性の問題:一部の人が技術を用いて競争において優位にたつことは不公平であるとする考え方。技術にアクセスできる人とできない人で格差ができる。
  • 人間の尊厳の侵害:エンハンスメントは、人間らしさ、人間らしい行動をむしばむ。例えば、スポーツ。素晴らしいプレーが出たとしても、それは、個人の努力ではなく、科学技術によるものとされてしまう。つまり、スポーツは、娯楽というよりは、見世物にしかならない。
  • 差別:エンハンスメントの根底には優生思想がある。多様性の否定につながる。

これらが批判として挙げられています。

エンハンスメントの批判への批判

しかしながら他の意見もあるはずです。今からエンハンスメントへの批判つまり、

  • 安全性の問題
  • 公平性の問題
  • 人間の尊厳の問題
  • 差別

についての反論を書きましょう。

安全性の問題

今の世の中には、不健康な食べ物などたくさん出回っています。ドーピングがそれらよりも不健康であったとしても、50歩100歩な気もします。

「ドーピングをばれないようにする」技術も発達してます。安全にドーピングをしようと技術開発することもどうにかすればできるでしょう。

そこまで安全性に気を使うより、「安全にドーピングを使うにはどうすればよいか」を考えたほうが早そうです。

公平性への問題

公平性。果たして世界のスポーツ選手のすべてが公平でしょうか?例えば、ウィンタースポーツにはお金がかかります。冬のオリンピックでメダルを取るのは、お金に余裕のある国の選手ばかりです。これは公平でしょうか?夏のオリンピックの種目でも、射撃などは、先進国の選手しかいません。

公平性うんぬんを持ち出すなら、身体能力のみで競える種目以外は否定されるべきでしょう。

人間の尊厳の問題

ここへの反論は難しいです。

ドーピングがダメな理由の主な理由はここでしょう。

ドーピングが横行すると、どれだけすごい記録が出ても、それはドーピングの結果と見なされ、科学技術に着目がされ、選手本人は評価されなくなったりします。

スポーツが科学技術の勝負になるのです。それだったらスポーツではなく、ロボット開発でオリンピックのようなものをすればよいでしょう。

人間の尊厳の尊重という観点では、ドーピングはいけません。ドーピングするくらいなら、スポーツ種目にロボットでも参加させればよい。

そこに人間に対する敬意、尊敬の気持ちは生まれず、「ヒト」として楽しめるスポーツはなくなってしまいます。

差別

「差別」という意見に反論するのであれば、、、、「差別」は言ってしまえば人の価値観の問題です。

スポーツは勝負です。勝ちと負けの差が付きます。

いまさら差別などないでしょう。

ドーピングがなくても、、スポーツに遺伝子検査を取り入れたりしていたりもします。その遺伝子に合ったスポーツをやらされている人もいます。いまさら、優生思想うんぬん、差別等言うべきではありません。

まとめ・反論とはいうものの

以上に反論をつらつらと並べさせていただきましたが、「人間の尊厳を守る」点に関しては、ドーピングはクリアできませんでした。

先にも述べたとおり、科学技術の進歩のみでスポーツがうまくなるならば、いっそロボットにスポーツをしてもらえばよく、そこには人間としてのスポーツから得られる感動などはないのでしょう。そのためにもドーピングはいけないという事です。

ただ、個人の趣味でやる分には、あくまで趣味ですので止めません。競技としてのスポーツに、ドーピングが絡むことには反対です。

以上でドーピングの記事を示させていただきます。長い文章を読んでいただきありがとうございました。