生化学

糖代謝(乳酸発酵・クエン酸回路)

前回の復習

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解糖系

  • G6P⇒F6P
  • F6P⇒FBP
  • 1,3-BPG⇒3PG

以上の三か所の反応でATPが作られること。

グルコース(glucose)がピルビン酸(pyruvate)になること。

この二点は押さえましょうと言いました。(詳しい経路については前回の記事をご覧ください)

ピルビン酸

ピルビン酸はさらに代謝されていきますが、体に酸素が十分にあるときと、そうでない時で、違う代謝がされます。

  • 酸素が十分にあるとき、つまり、好気的条件ではクエン酸回路
  • 酸素が十分にないとき、つまり、嫌気的条件では乳酸発酵へと向かいます。

乳酸発酵

乳酸発酵

乳酸発酵とは、酸素がないときに起きる反応です。

ピルビン酸とNADHが反応して(ピルビン酸がNADHを酸化して)乳酸とNAD+を作ります。

この反応はミトコンドリアは使いません。

クエン酸回路に比べると速い代謝です。

無酸素運動の時は、だいたい、速い動きをしていて、速くエネルギーがほしいときですから、速い代謝で急いでエネルギーを生み出すのです。

乳酸について

激しい運動後に「乳酸たまったー」と言う人がいます。乳酸は疲労物質(あるとつかれるもの)とされていましたが、今は、無酸素運動で生産されるものとされています。

有酸素運動では、エネルギー源になるとされています。乳酸がたまるときは無酸素運動を繰り返したときです。

つまり、乳酸は、無酸素運動による疲労の目安にはなりますが、疲労物質ではないことはおさえておいてください!

乳酸もまたエネルギー源です。ピルビン酸によって乳酸が作られるわけです。

クエン酸回路

クエン酸回路は、エネルギーを作る回路でTCA回路とも言われます。

クエン酸回路

クエン酸回路はこんな回路です。

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反応はミトコンドリア内で行われます。

エネルギー収支

クエン酸回路によって1分子のピルビン酸から以下の分子が出てきます。

  • NADHが4分子
  • FADH2が1分子
  • GTPが1分子

ここでATPに換算してみましょう。

  • NADHは1つでATPは3つ、
  • FADは1つでATP2つ、
  • GTPは1つでATP1つを作れます。

(これらは全てエネルギーの通貨でしたね。ATPに換算してみました。エネルギー通貨については前回の記事をチェック!)

つまり、1このピルビン酸から15個のATPが作られます。

糖代謝の初めに帰り、(前回の記事)考えると、

「1つのグルコースで、解糖系では、ATP2分子と、NADG2分子(ATPで換算して6分子)」作ります。(合計で8個)

グルコースはそこから2個のピルビン酸になるのでした。

つまり、グルコース1つで「8+15×2=38」個のATPが作られるのです。

TCA回路とアミノ酸

アミノ酸代謝との関連

タンパク質の分解・アミノ酸の代謝」という記事で、

「糖新生の材料」は

  • ピルビン酸
  • αーケトグルタル酸
  • サクシニルCoA
  • フマル酸
  • オキサロ酢酸

と書きました。これらは全て、TCA回路に含まれているのですね。

もう一度図を確認してみましょう。

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見つけられましたか?

このように、糖とアミノ酸は密接に絡んでいます。

アミノ酸と糖新生、グルコース

この回路からも、「アミノ酸からグルコースが作れる」と分かります。

つまり、解糖系、TCA回路を逆向きにしたりすれば、グルコースを作ることができるのです。

ここで「なぜ、わざわざ、グルコースを作るか?」という疑問が出てくるでしょう。実は、脳はグルコースしかエネルギー源にできません。

脂質やアミノ酸のままでは、血液脳関門(脳と血管の間にある壁。脳は壁で守られている)を通過できず、脳に栄養として贈ることができないのです。

そのため、一度グルコースになり、脳に栄養されます。糖新生はそのためにも大切なのです。(人間の体で脳は大切な臓器になる)

まとめ

今回は乳酸発酵とクエン酸回路について学びました。クエン酸回路についてはエネルギー収支も含めて、しっかり復習してください!

今日のQuestion

ピルビン酸が乳酸発酵に進むか、クエン酸回路に進むかを分ける条件は何か?(答えは記事のはじめのほうに!ぜひ復習なさってください!)