医学部事情

医者・医学生が血や内臓などグロテスクなものに耐えられる理由~高校生は怖いからって医者諦めるな

今回は、「医学部と血や内臓」ということで、記事を書いていきます。

血や内臓には耐えられる

医学部で勉強していると、平気で血や内臓などグロテスクなものを目にする機会が出てきます。病院で務めることになるなら、そういう血や内臓を日常的に見るようになる人もいます。

では、血や内臓などのグロテスクなものを見るのが苦手な人は、医学部を受験するべきではないのでしょうか?答えはもちろんNoです。

簡単に言えば、医学部で勉強を進めているうちに「慣れる」のです。

慣れると言っても二つの慣れ方があります。

  1. 感覚的に慣れる
  2. 理解して慣れる

それぞれについて見ていきましょう。

感覚的に慣れる

一番簡単に「慣れる」と言えば、

「血や内臓などに触れる機会が多いため慣れる」ということでしょう。

確かに、医学部入学当初、「俺、血とかダメなんだよね・・・」という男子もいます。

学校でもそれを理解していて、「今から少しグロテスクに見えるかもしれないので、無理してみなくてもいいです。うつむいていてもらっても構いません。見ていて気持ち悪くなったら手を挙げてください。ビニール袋とストレッチャーは一応用意してあります。」みたいに言われるときもあります。

皆、何となく、頑張って多少グロテスクなところも見ます。

他には2年生で行う解剖実習です。

「御献体」を解剖させていただきます。ヒトの体です。

初めは皆めちゃくちゃ緊張しています。(緊張しない人などいません。)

初回の授業では気分がすぐれなくなり、別室に移動する生徒が出てくるときもあるそうです。

そんな経験も踏みながら、解剖の授業では何時間も「御献体」と向き合います。

その過程の中で、少しづつ、慣れていくのです。

知識から慣れる

実際はこちらの「慣れ」の面が大きいかもしれません。

少し理解しにくい話かもしれませんが、例えば、「血(血液)について勉強すると、血を見ても怖くない」という現象があるように感じます。

何も知らない時に、血を見ると、恐怖でしかありません。

ただ、血について一度勉強すると、血を見たときに、唯の恐怖ではなく、そこに知識がついています。

「相手を知ることで怖くなくなる」とでも言えますでしょうか。

例えば、血が飛び散っていると、何となく怖く感じます。

ただ、知識があると、「血にむやみに直接触れなければ大丈夫」という理解があります。

その理解があれば、「何となく血が怖い」ということはありません。

相手を知り、相手の危険性を知ることで、恐怖に打ち勝つことができるのです。

グロテスクなものは、

  • 「よくわからないけど、なんとなく怖い」
  • 「よくわからないから、なんとなく怖い」

という側面があるでしょう。

ただ、相手(グロテスクなもの)を理解することで、「なんとなく」怖いという機会が減るのです。

確かに僕は医学部にいて、何年も経ちますが、腐乱した人体の写真など見ると、少し圧倒されるときがあります。(理解していても、本能的に恐怖は感じます。)

ただ、これから少しづつ、慣れていけるものだと思っています。