医療現場の話

医療関連感染と院内感染・病院感染/デメリットとその対策

今回は医療関連感染と院内感染について学習します。

医療関連感染と院内感染・病院感染

医療関連感染(Healthcare Associated Infection)とは以下の二つをまとめた言葉です。

  • 院内感染(Nosocomical Infection)
  • 病院感染(Hospital Infection)

つまり「病院内で起きた感染」のことです。定義は以下のようになります。

  • 病院などの医療施設において、入院患者および外来患者(日帰りの患者)が原疾患とは異なり、新たに罹患した感染症。
  • 医療従事者が職業上、患者との接触や針刺し・切創・血液体液曝露によって罹患した感染症

つまり、噛み砕くと、医療関連感染とは、「本来なら病気じゃなかったのに、病院に行ったせいで、病気になっちゃった」ということです。

病院は清潔な空間であるように保たれていますが、病気の人が行き来するため、どうしても、ウイルスや細菌が飛び交ってしまいます。そのため、感染が伝播しやすいのです。そのような空間の「せいで」病気になることを「医療関連感染」というのです。

医療関連感染のデメリット

医療関連感染は、患者・医療従事者・病院、三者それぞれに悪影響を及ぼします。

患者にとっては、「新たな病気に罹る⇒治療に難渋する」といったようなデメリットがあります。

医療従事者が医療関連感染にかかると、仕事ができなくなったり(人手不足!)、仕事へのモチベーションが低下したりします。

病院は、医療関連感染によって、訴訟に巻き込まれたり、病院の評判が下がります。

なんにせよ、医療関連感染にはデメリットしかありません。

医療関連感染への対策

医療関連感染は防がなければならないものです。その対策について学習しましょう。

主に「標準予防策(全ての患者に適応される対策)」と「感染経路対策(特定の患者にする対策)」が重要となります。

標準予防策

医療関連感染への予防策として、最も大切なことは、「感染源(ウイルスや細菌がたくさんいるところ)に触れない」ことが大切となります。

  • 血液
  • 体液・分泌物(だ液・鼻水・尿・便・母乳)
  • 傷のある皮膚
  • 粘膜

以上の生体物質は感染源になりえます。直接手で触れるのではなく、マスクや手袋をして触れることが重要です。また手洗いや消毒などをしっかりすることが大切です。

感染経路対策

感染として有名なものは

  • 空気感染(空気中にウイルス細菌!)
  • 飛沫感染(唾などでウイルス細菌が飛ぶ!)
  • 接触感染(手等を介して微生物が伝播)

があります。マスクをすることや、手指の消毒などで防ぎます。

医師は患者一人を診るごとに、アルコール等で手指を消毒するように教育されています。(患者さんに触れた後で、患者さんの目の前で手指をアルコール消毒されると、不愉快に感じる人もいるかもしれませんが、患者一人一人への対応前後に、消毒することは大切なのです!)

以上、医療関連感染と院内感染・病院感染/デメリットとその対策でした!