今回は「アツイ物での死亡」
火傷などを扱います。
熱傷
熱傷の種類
熱傷Burnsには何種類かあります。
以下の通りです。
- 炎による熱傷Flame burn
- 接触による熱傷 Contact burn
- 幅射熱による Radiant heat burn
- 湯傷 Scalding burn
- 化学熱傷 Chemical burn
一般的な熱傷と言えば、炎による熱傷ですが、
体育館で転んで「火傷する」ことはありますし、
理科の実験で塩酸が手にかかっても、
「火傷した」と言います。
色んなところで、熱傷は起こっています。
熱傷の重症度
熱傷の重症度は
熱傷の範囲(体の3分の1の火傷でピンチと言われています)
熱傷の深さ
年齢(高齢ほど熱傷はsevere)
気道熱傷の有無(火事の時熱い空気を吸ったか等)
これらが重症度に関わってきます。
火災による死~焼死と焼死体は違う!
熱傷で死んでしまうと言えば、焼死でしょう。
ただ、ここで学びたいのは、
「焼死と焼死体は全然違う」ということです。
焼死、焼死体、それぞれについて見ていきましょう。
焼死
焼死は炎の影響による現場での死亡です。
- 熱傷
- 有害物質(主にCO一酸化炭素)の吸引
- 酸素欠乏
などの要因が重なり合って、
死亡します。
ちなみに、病院に搬送されてからの死亡は、
現場での死亡ではないため焼死ではありません。
治療を行っている時の死亡は、
死因は焼死ではなく、
呼吸不全や感染症となります。
焼死体
焼死体は「火災現場で発見された死体」です。
つまり炎の影響は問いません。
撲殺されてから、体に火をつけられた死体も
焼死ではなく焼死体です。
焼死は死因に着目しているのに対し、
焼死体は死体そのものの発見場所に注目しています。
炎に関する法医学はここまでにして、
以降、有名な「高体温症」
いわゆる「熱中症」について学習しましょう。
高体温症
高体温症と言えば、つまり、熱中症です。
体温を一定に保つ機能(ホメオスタシス)が失われ、
熱負荷に耐えられなくなった状態です。
具体的には深部体温が40.5度を超えた状態です。
(深部体温は例えば直腸や口の中の温度)
症状
熱中症の症状としては、
- 高体温
- 乾いた肌
- 精神障害
- 頻脈(心拍数が高い)
- 過換気(呼吸が荒い)
- 低血圧(ふらふら)
これらが挙げられます。
高齢者や乳幼児、大酒家、肥満、心臓病など持っている人などが、熱中症になりやすいそうです。
応急処置
熱中症かと思ったときは
- 涼しい場所に移動
- 水分塩分の補給
- 体温を下げる(冷たいものをもつなど)
以上が大切となります。
まとめ
今回は
「体温上昇による人の死」を学習しました。
次回は「体温低下による人の死」を学びます。
これから暑い夏が始まります。
熱中症には気をつけましょう。