医療現場の話

病院に行くとされる質問(患者さん)

医者に言いたいことを伝えきるのは難しい

僕もそうなのですが、病院に行ったとき、お医者さんに正しく情報を伝えたり、言いたいことを言ったりするのは意外と難しいですよね?特に、病気の時、体が疲弊している時、言いたいことを伝えきれないことも多いでしょう。

そこで今回は「病院に行ったとき何を聞かれるか」について書こうと思います。病院で何を聞かれるか、事前に知っておいて、スムーズにお医者さんと会話できるようにしてきましょう!

全体概要

実は、「お医者さんは患者さんにどういう質問をするか」というのは、大体、決まっています。相手を見なが思いつきで質問を考えていくわけではありません!(医学部では低学年の時から「何を質問すればよいか」を教えてもらってるくらいマニュアル化されています!もちろん、体の状態によって、大事な質問・重要ではない質問はありますが、大体は決まっています。)

そのため、前もって何を聞かれるか知っておけば、お医者さんに説明するときもスムーズになります。

お医者さんは患者さんに何を話すのか、聞くのか?箇条書きすると以下の通りです。

  1. 挨拶、自己紹介
  2. 本人確認
  3. 主訴
  4. 現病歴
  5. 既往歴
  6. 服薬歴、アレルギー
  7. 家族構成、家族歴
  8. 生活習慣、日常生活
  9. open question
  10. まとめ、次の行動の説明
  1. その他:*共感の言葉、相槌

これくらいあります。3~6などは来院時に紙に書くことも多いですね。

各項目について見ていきましょう。

挨拶、自己紹介

「こんにちは。本日担当させていただく○○です。」
挨拶、自己紹介をすることで、多少の信頼を得ます。(名前も知らない人に自分の体を診てもらうのは抵抗があります!)

本人確認

「確認のため、お名前と生年月日を頂けますか?」(姓・名どちらも確認)

患者さんの混同をしないためにこの質問をします。

入院すると、患者さんの手首にバーコードを付けてもらい、患者さんを間違えるのを防いだりもしています。

本来とは別の人にお薬が出たりしたら大変ですから・・・

同姓同名の人の可能性もあるので、生年月日も聞きます。(昔、同姓同名の人がいたことも・・・?)

主訴

「今日はどうなさいましたか?」

「今日は(主訴)でいらっしゃったのですね。」

診断に必須です。患者さんの主訴(来院した主な理由)を聞きます。

現病歴

例えば腹痛で来院された時

  • 「痛みは、いつん何をやっているときに起こりましたか?」(発症)
  • 「どのくらい痛みは続きますか?ひどくなったりしていますか?」(経過)
  • 「どこが痛みますか、痛いところをご自分で触っていただけますか?」(位置)
  • 「どんな感じの痛みですか?痛みの強さはどのくらいですか?生活に差し障りはないですか?」(性質。程度)
  • 「何かをやるとよくなったり、ひどくなったりしますか?」(変化)
  • 「他に痛むところはありませんか?」(随伴)
  • 「ご自分でお薬を飲まれたりされましたか?」(対応)

主訴に対して、詳しく聞きます。

全身にくる症状(発熱、倦怠感、不眠体重減少など)では別の質問が必要な時が多いです。

既往歴

  • 「今までに大きな病気にかかったことはありませんか?」
  • 「健康診断は受けられていますか?異常なところはなかったですか?」

実は昔、自分がかかった病気を言ってもらえないときも・・・

患者さん自身で、関係ないと思っていても、今の症状の既往歴は関わるときもありますので、自分で判断せずに言ってみましょう。

アレルギー

  • 「普段お薬を飲んでいますか?」
  • 「アレルギーなどはありませんか?」

アレルギーもちの人には投与してはいけない薬があったりします。アレルギーが病気の引き金になっていたりもします。

家族構成、家族歴

  • 「一緒に暮らしている方で○○さんと同じ具合の方はおられませんか?」
  • 「どなたかと一緒に暮らしていますか?」

病気の由来を知るだけでなく、家族内で病気が拡がらないようにアドバイスするためでもあります。

生活習慣、生活歴

  • 「たばこ、お酒はたしなまれますか?」
  • 「一日に(週に)どのくらい吸いますか(飲みますか)?」「いつからたばこは吸われてますか?」
  • 「食欲はいかがですか?」
  • 「夜はよく眠れていますか?」
  • 「お仕事は何をなさっていますか?」
  • 「過労やストレスはないですか?」
  • 「最近旅行に行かれたりしましたか?」(感染症が疑われるとき)

Open question (重要!)

「他に気になること、思い当たることはありませんか?」

上記で聞き漏らしたことや、新しい情報を聞くことができます。この質問はとても大切です。患者さん自身からでは、ちょと自分から言いにくい内容・言いにくいタイミングもありますが、なんでも言ってください!

ちなみに、この質問をすることで、患者さんは「自分の言いたいこと」を話すことができ、また、「話せた満足感」も感じます。しかし、この質問ができない医師・この質問で話しにくい雰囲気を作ってしまう医師も多いです!(気を付けましょう!)

まとめ

「今伺った話をまとめさせていただきます。間違いや、漏れていることがありましたらおっしゃってください。」

再確認をするとともに、患者さんが話を聞きながら、新しく情報を思い出してもらうためでもあります。

共感の言葉相槌

  • 「それは大変ですね」
  • 「(相槌)」(うなづき)

無言で話を聞かれても話しづらいため、必ずするように言われます。

カルテ等の入力にいそしんでしまう若手は忘れやすいそうです。

終わりに

以上が病院で聞かれる質問の代表例です。

名前と生年月日が聞かれる、なんてのは大きな病院でよく見られますね。

「あ、ちゃんと人の間違いがないようにしている」と意識すると面白いかもしれません。余裕があるときに注目してみてください!

以上「病気で病院に行くとされる質問」でした!