医学部事情

医学部奨学金は危険!奨学金に縛られるデメリット

医学部は「奨学金」が充実しています。

ただ、なるべく奨学金はとらないほうが良いでしょう。

今回はその理由を書いていきます。

医学部の奨学金

3タイプの奨学金

まず、医学部は奨学金が充実しているという話から始めましょう。医学部生には3つのタイプの奨学金があります。

  1. 給付型奨学金(日本学生支援機構など。低金利だったりする)
  2. 貸与型奨学金(日本だと低所得者向けには開かれている)
  3. 条件付給付型奨学金(地方自治体が運営。特定の自治体で指定される病院で働けば返さなくてよい。指定されていない病院で働くときは返還の義務が出てくる。)

医学部では特に3つ目の奨学金が充実しています。

例えば地方に行けば、大体は「大学卒業後もうちの県に残って医者として働いてくれれば月10万円渡します。」という奨学金を取り扱っています。私立病院が独自に運営する奨学金もあます。(「うちの系列病院で働いてくれれば、月10万円渡します。」というもの)

これらを組み合わせれば、月20万円は必ずもらえるでしょう。下手すると、月30万円も夢ではありません。

月30万円といえば、(税金関連で多少引かれることもありますが)年収360万円です。

魅力的ですね。

ただ、僕はこれらの条件付き給付型奨学金制度には一切手を出すべきではないと主張します。

奨学金の条件

奨学金の条件はどのようになっているのでしょう。

大体は、(数値は地方により異なるとして)

「給付期間と同期間、県が指定した病院で、卒後数年間の間に働いてください。」

となっていることが多いです。

1年生の時に借り始めると、

「卒後12年間の間で、いつでもいいから6年間、県が指定した病院で働いてください」

という条件になることが多いです。

医学部奨学金がなぜ危険なのか

医学部条件付き奨学金の危険性のポイントを2つ書いていきます。

選択肢が狭まる

医学部奨学金の危険性の一番のデメリット、それは「選択肢が狭まること」にあります。

例えば、最近、医者の専門医制度が変更になりました。特定の病院で勉強して専門医を取る制度です。

もし、県が指定する病院で専門医が取れなかったら、あなたは専門医をあきらめるしかありません。

もし、指定する病院で専門医が取れるとしても、そこには定員があります。

奨学金をとっていない医者の場合、「県が指定していない病院」でも、「県が指定している病院」でも、どちらでも、すべての病院で研修をする選択肢、チャンスがあります。一方で、奨学金をとっていると、「県が指定する病院」でしかチャンスがありません。もちろん県外にも出られません。「奨学金をとっていた者同士」で枠を争うことになります。奨学金をとるとその枠争いがハードになります。

ほかにも、「あの病院に行きたい」と思ってもその夢はかなわなくなります。「あの病院は給与がいいから行きたい」と思ってもいけません。

学生の時の1か月10万円のために、年収何百万を逃してしまうかもしれません。

利子が高すぎる

そのような、「奨学金に縛られたくない」と思って、奨学金を返済することにしましょう。(返済すれば、指定の病院で働かなくてもよくなります。)

ただ、医学部の条件付き奨学金の利子は、高すぎます。

年利10%がよくある話です。

1年生から奨学金を借り始めたとすると、卒業するころには120万円×「1.1の六乗」=120*1.77で212万円にもなっています。90万円も借金が増えるのです。

まとめ

  • よほど困っていない限り、奨学金は避けたほうが良い。
  • バイトで何とかやりくりできるなら、やりくりするべき。