今回は「『医学部に入って医者にならない 』という選択」という内容で記事を書いていきます。
医学部に入学して医者にならないことは珍しくない
「医学部に入って医者にならない」ことは珍しいかと思いきや、そうでもありません。以下の数値を見てください。2018年の医師国家試験のデータです。
- 受験者数:10,010人
- 合格者数:9,024人
- 合格率 :90.1%
- ただし新卒9227人中8924人合格(93.3%)
- 今(2018)の医学部の定員9419人
つまり、医学部の定員9419に対して、9227人しか医師国家試験を受験せず、そのうち、8924人しか合格しないのです。
つまり、
- そもそも医学部に合格したのに国試を受けない人がいる
- 医師国家試験を受けても、合格しない人がいる
ということです。後者(国試を受けて落ちた人)は当人の実力不足であり、そのような人は「医師になりたかったけどなれなかった(来年以降チャレンジする)人」なので、いつかは医師になるでしょう。
医学部に入学したのに国試を受けない人は3つに分類される
では、前者(医学部に入学したのに国試を受けない人)はどんな人でしょう。理由としては3つあります。
- 医学部でうまく進級できず、国試を受ける前に退学や放校になった(よくあるパターン)
- 医学部で国試を受けさせてもらえなかった(国試の合格率を挙げたい私立に見られる。)
- 医学部に入ったけど医師にはならなかった
以上3つのどれかでしょう。理由の1/2は「国試を受けられない」という消極的な理由です。理由の3は「医師にならない」という選択です。積極的な理由と言えるでしょう。
消極的な理由で国試を受けない人はただの能力不足です。では、積極的な理由で国試を受けない人はなぜ受けないのでしょうか。
国家試験を受けなくても道はある
確かに、一応、国試を受けなくても、就職はできます。
こちらの記事では「医学部に入っても医者にならないという選択肢はたくさんある」と書きました。例えば
- 医工学に携わり、モノヅクリに従事する
- 公衆衛生学(海外の疫学調査)を行い、海外を飛び回る
- 官僚になる(医官)
などがあります。医学部は本来6年生ですが、4年生で一旦中退し、研究者になった人もいます。その気になれば色々な道もあるのです。
ただ、医師免許は取るべき
ただ、医師免許は取るべきでしょう。医師免許を持っていれば、とりあえずのつぶしはききます。「何かあったら、医師として働けばよいのだ」と思えば、医師以外の職業でチャレンジもしやすいです。
選択肢を増やすためにも、ぜひ医師免許は取りましょう。