医学部事情

医学部の試験~範囲と難易度&評価方法(絶対評価or相対評価?)

今回は医学部の試験について書いていきます。

医学部の試験

試験は何のために~試験が怖い理由

まずは、試験は何のためにあるのか考えてみましょう。

  • 学生に勉強させるためのもの
  • 進級してよいか(医者になってよいか)判断するもの
  • 教授の自己満足
  • テッペンを決める(不良映画みたいな)

全部正しいでしょう。とにかく試験は「客観的評価が与えられる場」であります。

だから怖いのですね。

主観的評価なら恐くないでしょう。道行く人に、(例えば、ベンチに座っているおじいさんに)「君は才能があるねえ」と藪から棒に言われても「はあ、、、」となります(内心嬉しいが)。逆に、「君は才能がなさそうだしがんばりなさい」と言われても(内心いらっときますが)、「はは、、、」となります。

しかし、もしこの世に神がいたとしましょう。神があなたの才能をすべて決めてしまうとします(客観的評価)。それが絶対的な評価です。怖いです。あなたの化膿性はそこで決定付けられます。客観的評価は絶対的な物であり、それがゆえに怖いのです。

と、まあ、文系チックな話は置いといて、具体的な内容を見ていきましょう。

範囲と難易度

範囲と難易度は、学校ごと、教科ごと、先生ごとにまちまちです。ただ、どの先生についてもいえるのは、「試験範囲は広い」ということです。

中には「試験範囲が狭い」先生もいます。「試験範囲が狭い」先生は、「どこを試験に出すか、授業中にちらっと言ってくれる」先生です。「本来の(ヒントのない)」(建前上の)試験範囲は広いです。このような先生の試験では、この「授業中のヒント」が試験攻略の肝となります。(このようなヒントは友達同士で共有されます。何度かこのブログで「医学部は情報が大切」と言いますが、そういうところです。)

評価方法~絶対評価と相対評価

医学部の評価は他の学部には珍しいかもしれません。「相対評価」があるのです。

絶対評価

まずは、相対評価と対になった言葉の「絶対評価」です。絶対評価は「よくある大学のテスト」です。「60点取れば合格」ってやつです。60点取ればよいのですから、60点取るための勉強をします。好成績のために100点を狙う人がいれば、60点ギリギリ合格を狙う(ある程度までしか勉強しない)学生も出てきます。

絶対評価のメリットは「ある程度勉強したら合格はする」ということです。デメリットとしては、「試験の難易度がべらぼうに高い場合、皆が不合格になってしまう」ということです。

相対評価

相対評価は医学部独自のものと言えるでしょう。簡単に言うと、

  • 上位2/3は合格
  • 偏差値45以上は合格

というように、「相対的な成績」で合否が決まる試験があるのです。相対評価の授業では、誰も気が抜けません。皆「再試になりたくないから」と勉強しますから、気を抜いたら、相対的に自分の試験の順位は落ちていきます。(再試になりやすくなるという事です。)

皆で5点取れば、相対的に皆1位ですから、皆合格です。ただ、「好成績取りたい奴」はそんな合格を必要とせず、ガンガン勉強して好成績をとります。

「皆で10点取ろうね」とか裏で示し合わせていても、結局、裏切者が出るのがオチでしょう。なんだかんだ言って皆勉強する羽目になり、皆尻に火が付きます。

「相対評価は、皆勉強するからいいね」と言うかというとそうでもありません。「どれだけ勉強しても落ちてしまう人」がでてきたりします。また、同級生が皆怠け者の学年は、皆で怠けて、皆で悪い成績をとったりもしています。

実際に多い評価方法

実際に多い評価方法は「絶対評価」と「相対評価」の組み合わせです。例えば、

  • 試験の最高得点の者が100点満点になるように調節する場合
  • 不合格者が多いときに、下駄が吐かされる場合

ではそれぞれについて見ていきましょう。

試験の最高得点の者が100点満点になるように調節する場合

例え、試験の点数が{60,50,40,30,20}だったとしましょう。これだと5人中4人が再試域です。ただ、この点数だと、「明らかに試験の難易度が高かった」と言えるでしょう。そこで、試験の最高得点の者が100点になるように点数調整します。

{60,50,40,30,20}の点数が{100,83.67,50,33}に置き換わるのです。(注:60点が100点になる。(点数をそれぞれ5/3倍する))

こうすることで、「ある程度まで勉強した人は皆合格させてあげられる」ようになります。(成績上位者が、1人だけ、めちゃくちゃよい成績をとると、この評価基準はグロテスクなものになる。)

不合格者が多いときに、下駄が吐かされる場合

これは先生の「優しさ」です。シラバスに書いてある評価基準があいまいな先生に多いです。試験の成績が悪くても、「君たちの実習態度は良かった」と言って、試験の成績にプラス何点かくれます。こういう先生は機嫌が良いと、合格者が増えたりすることがあるとの噂もあります。

ただ、特別成績が悪いは再試になってしまいます。

まとめ

医学部生は「採点方法」を知り、その採点方法に見合った対策をとるべし。試験中はあきらめず、最後まで集中すべし。頑張っていたら何かあるかも。