医学生向け

医学生の論文雑誌の見方nature?science?Cell?インパクトファクター

今回は研究室に通う医学生の論文について学んだことについて書きます。

どんなジャーナルを使うか?

一言に科学系ジャーナルと言ってもたくさんあります。

医学基礎系の論文でも

  • Cell
  • Nature
  • Science

なんて多くの種類のジャーナルがあります。

初めは、どれも似たようなもので、適当に眺めようにも、どれから読めばよいのか・・・?

僕の体感

僕の感覚で言えば

  • Cell:Figure・本文が充実し、丁寧。(逆に言えば、量が多い)ちなみに、2006 年 山中伸弥先生のiPS 細胞論文はCell 発
  • Nature:Cell よりもFigure・本文共に短い。取っ付き易い。(情報量が少ないため読みながら調べる作業が必要なことも。)
  • Science:Cell・Nature よりも分野のまたがった論文がありがち

みたいな感じです。

“Nature は日本語の要約や、News & Views の日本語訳があるので、大まかな意味をつ
かみたいときに、ちょっとだけ便利かもしれません。

おすすめのジャーナル分野別(引用)

以下論文を読もう|大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器・免疫内科学からの引用ですが、各分野毎に以下のようなジャーナルが人気なようです。

基礎系

  • 基礎科学、生物学: Nature、Science、Cell
  • 臨床医学、内科学: New England Journal of Medicine、Lancet、JAMA-Journal of the American Medical Association、Annals of Internal Medicine、British Medical Journal
  • 実験医学: Nature Medicine、Journal of Clinical Investigation
  • 免疫学: Nature immunology、Immunity、Journal of Experimental Medicine
  • 微生物学: Cell Host & Microbe、PLOS Pathogens
  • 分子生物学: Nature Chemical Biology、Molecular Cell、Current Biology
  • 細胞生物学: Nature Cell Biology、Journal of Cell Biology、EMBO Journal
  • 腫瘍学: Cancer Cell、Lancet Oncology、Journal of Clinical Oncology、Journal of the National Cancer Institute、Cancer Research
  • 発生学: Cell Stem Cell、Developmental Cell
  • 遺伝学: Nature Genetics、Genes & Development
  • 神経科学: Nature Neuroscience、Neuron、Molecular Psychiatry、Brain

臨床系

  • リウマチ科: Annals of the Rheumatic Diseases、Arthritis and Rheumatology
  • アレルギー科: Journal of Allergy and Clinical Immunology
  • 呼吸器内科: American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine
  • 循環器内科: Circulation、Journal of the American College of Cardiology、European Heart Journal、Circulation Research
  • 消化器内科: Gastroenterology、Hepatology、Gut,Journal of Hepatology
  • 代謝、糖尿病科: Cell Metabolism、Diabetes、Diabetes Care
  • 血液内科: Blood、Leukemia
  • 感染症学: Clinical Infectious Diseases、Journal of Infectious Diseases

インパクトファクターとは

こんなにたくさんの論文雑誌があります。(医学から出れば他にもたくさんあります。)

「本当にどれを読めばよいのかわからない・・・」

そんなときに参考にしてみてほしいのが、論文雑誌の「インパクトファクター」です。

いわゆる「雑誌のレベル」です。レベルが高いほど、有名な雑誌だったり、載っている研究データが正確だったりします。

だから、簡単に言えば、「インパクトファクターの高い=レベルの高い」雑誌に載ればすごいことですし、逆に低いところもあるというわけです。

ちなみに、初めの方に書いたNature,Cell,Scienceのインパクトファクターは他の雑誌に比べたら雲の上の存在で、30-40以上だったりします。

他の論文雑誌についても調べてみて、「あ、この雑誌はこれくらいかあ」と見てみても面白いかもしれません。