生理学

ポアズイユの法則を使ってみた~心臓のバイパス手術vs人工血管vsステント

 イントロダクション

以前、ポアズイユの法則を学んだのを覚えているでしょうか?

f:id:medudent:20180214163721p:plainこんな式です。

www.medudent.com

「どこでこんな式使うんだ?」1つ例を持ってきたので、どうぞ、読んでみてください!

血管のバイパス手術vsステントvs人工血管

人工血管とは?

「人工血管」という言葉を書籍やメディアなどの情報から聞いたことはありますか?

人工血管は、人の手で作った血管です。

僕たちの体の中に入れて、本来の血管の代わりの働きをしてもらいます。(本来あった血管は取り除き、そこに人工的な血管を縫いつけます。)

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ただ、人工物を体内に入れることに抵抗を感じる人も少なくはないです。(少なくとも僕は抵抗を感じます。)

ただ、人工血管はすごいのです。見ていきましょう。

バイパスの出番

まず、動脈硬化などに伴い、血管が細くなる(狭窄)がおこったときを考えましょう。ここでは、血管抵抗が大きいです。

血圧も上がります。(血圧=循環血液量×血管抵抗)

そのようなことが起きたとき有効な治療法として、狭窄が起きた血管をバイパスさせます。

バイパスのイメージとしては、血液の通り道が一本だったところを、2本にしてやるイメージです。(下図)

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ポアズイユノ法則の利用

ハーゲンポアズイユの法則に従えば、「半径がa の円筒型の管の流動抵抗はa4 に反比例する。」

ここで、血管を円筒としてみる。(科学では、モデル化が大切)

血管の狭窄により、血管の半径が半分になったら、流動抵抗は24=16より16倍になる

このとき血圧が一定だったなら、流れる血流の量はその逆数倍(16分の1)になる。(参考:血圧=一定,血圧=循環血液量×本来の16倍の血管抵抗)

ここで、バイパスすることを考えましょう。(ややこしいので計算略)このとき、バイパスするための人工血管は本来の血管のおよそ0.98倍の半径の血管が必要になる。

これでは、ほとんど本来の血管と同じ太さの人工血管を用意しなければならないとわかる。

これは、細い血管ならまだしも、太いものになると非現実的である・・・・残念。

ちなみに~ステント

バイパスにはこのような現状がある。

そのため、これに対してステントなどの治療法が確立されてきている。

しかしながらバイパス手術をしたほうが、薬物治療をした時よりも死亡率が低いとされている。また、ステントなどは太い血管に対してはできない。

一方でバイパスも太い血管に対しては、血管の準備の問題から難しいことは上に述べた。

人工血管の出番!

ここで人工血管が重要になるのです。

長い歴史から、人工血管は、人間の体内でも使えるようになった。人間の血管の代用を果たしてくれるのだ。

以上のことから、人工血管は今や、循環器系の疾患に不可欠な存在となっています。

まとめ

僕は何も知りませんでしたが、ポアズイユの法則を使えば、血管バイパスの限界は分かると思います。

物理というのは、数式が言葉として理解できてなんぼです。

医学部にいるとついつい大学受験のその感覚が抜けてしまいます。

ぜひ、式をみたらいろいろ考えてみましょう!