医学部では、「医者は大学院に行く意味ほとんどない」という意見がはびこっています。(「大学院に行くくらいなら、医師としての研鑽を深めるべき!」)
「専門医制度」があるからです。医師として、専門医として、バリバリ臨床経験積むためには、「大学院に行く時間」はもったいないというのです。
そのような大学院。
僕は行けばよいと思っています。そこら辺についていろいろと書いていきます。
大学院に行かなくても良いとする意見
「大学院に行かなくても良いとする意見」と書くと印象が良いですが、むしろ、
- 「どうせ専門医とるなら大学院に行く必要はない」
- 「大学院で過ごす時間は臨床経験の時間にあてたほうが良い」
- 「医者は大学院に行くべきではなく、臨床経験を積めばよいのだ」(過激に書くと)
とする意見です。
確かに、「臨床医」ならばそれでよいかもしれません。臨床医はある意味では「技術者」です。「技術者」として、その優れた技能を最大限まで高めれば、医師として十分素晴らしいわけです。
大学院などに行かなくても、十分にすごいお医者さんはいます。ただ、僕は、あったほうが良いと思います。
院に行くべき
この記事でも書きましたが、肩書は大切です。
院に行き学位をとる。phDをとる。
日本では大したことはないですが、世界的に見れば、phDまでとっている医師はほとんどいません。(僕の先生の経験談)
日本では、「アア、なんだただの院卒か。」が世界では「オオ院卒よ。」と言われるそうでございます。
人それぞれではございますが、僕は取っといてよいと思います。(幸い、とろうと思えばとれるものですから)
ちなみに、この論法への批判として、「海外でほとんどの医師が院に行かないなら、尚更おれも行かなくてよい。」と言われる方もおられます。
ただ、私の家族のphD取得者から言わせれば、phDは海外からすれば別格なようです。
例えば、白人の国に行けば、まれに日本人も差別を未だに受けますが、「自分はscientistでphDも持っている」と知られると、対応が良くなることもあるそうです。
参考:よく言われる大学院のメリットデメリット
一応書いておきます。参考までに。
メリット
- 専門性が身につく(本来の目的。論文読めば、ある程度の最新の知見が分かる。また、論文に読み慣れれば、その後も最新の医療についていきやすい)(実際これが一番のメリット)
- 就職で有利なことも(不利なことも。大学院はいらないという人もいるため。)
- 論理的思考が身につく
- プレゼンスキルの向上(患者さんにうまい説明ができる)
デメリット
- お金がかかる
- 臨床医としての時間が減る