今回は医学部における留年について書いていきます。
留年について
「留年」
大学生活を経験した人は大抵みんな聞いたことがある言葉です。試験の点数や出席数が足りずに、単位が取れないことで、学生は留年することになります。
医学部では留年者が毎年たくさん出ます。「世間の医者の1/3は留年経験者である」とも言われるほどです。(真偽は不明)今回はそんな留年について考えます。
留年がいけないとされる理由
留年は大学生に忌み嫌われます。世間的にも「留年=悪」のイメージがあります。なぜでしょう?
理由としては以下のものが考えられます。
- 1年卒業が遅れる。つまり1年就労までの時間が減る。・・・生涯年収が一年分減ります。年収200万円でも、生涯年収200万円の損です。
- 学校通いにお金がかかる・・・国立大学でも50万円かかります。一人暮らししていれば、大学生活にかかるお金は高いです。このように、1年分余計にお金を払うことになります。
- 友達が減る・・・留年すると、今まで友達だった人と違う学年になります。下の学年は皆後輩ですから、友達みたいに離れません。友達の数が何となく経ることでしょう。
- 留年の理由は「怠け癖」のことが多いから。・・・留年した人には学習に関して何かしらの問題があります。(勉強効率が悪い,勉強のやる気がないor態度が悪い)
以上の理由から「留年=悪」のイメージがあるのでしょう。一番大きな「留年で失う物」は「時間」(一年を無駄にしてしまう)と「お金」でしょう。
留年は悪ではない!
ただ、ここで、全国の気分落ち込んでる留年生にも聞いてほしいです。
僕は留年は必ずしも悪ではないと思います。大切なことは、「留年してできてしまった時間を無駄遣いしていないか?」という事でしょう。
「本人が、留年で生まれた時間を有効活用していたら」もしくは、「その有効活用した時間で何かを成し遂げられたら」その留年は価値のある留年と言えるでしょう。
つまり、留年そのものは悪いことではないのです。何か目的をもって、留年するのはむしろ良いことかもしれません。
一番良くないのは、目的もないのに、努力することを放棄して、留年すること。(これは無意味な留年となる。)
ただ、目的を持って留年する、もしくは留年してから目的をもって何かを頑張ることは問題ではないと思います。(「留年=悪」という事はよくない。)
社会は早く社会人になってほしいが
確かに、「医学部に進み、早く医師となり、早く働いてくれ」というのが社会の願いです。医師の養成に多くの金がつぎ込まれていることも事実です。(医師でなくても、社会は、大学生に「早く社会人になって一生懸命働いてほしい」と願っているでしょう。)
責任ある社会人としてそのような願いがあることは最もであります。ただ、このような考え方が危険であることも主張します。この考え方の下では、社会は大学生に「労働者」「働く人」もっと言えば、「働くマシーン」になることを求めています。
東京医大の入試不正問題がこの夏取りざたされましたが、この問題も、「働くマシーン」「医師」を作成しようとしたため起きたものです。「大学生に速く労働者になってほしい」との思惑が、このような問題を生んだのです。
社会にとらわれず、やりたいことやってみるのが良い
僕は大学生はこのような社会的な思惑の身にとらわれず、精いっぱい何かやりたいことをやればよいと思います。どうせ数年たてばみんな卒業し、40年近く働くことになるのですから、数年くらいやりたいことを見つけるため、やりたいことを一生懸命過ごすために回り道も良いじゃないですか。回り道に見えるものも、いつか役立つかもしれません。