医学生向け

医学部生は自分の科を今すぐに決めるべき

今回は、「医学部生は自分の科を今すぐに決めるべき」ということについて書いていこうと思います。

「志望科はさっさと決めろ」

私が臨床実習で厳しい先生の指導を受けた時、言われました。「志望科はさっさと決めろ。」

言われたときは、「いや、ゆっくり考えていけばええやん」と感じていました。ただ、いざ志望科を決めた後、考え方は大きく変わりました。「志望科は早く決めておくべきだ。」と。

志望科を決めると視野が変わる

例えば、学校の課題として、「虐待について調べよ」と課題が出たとします。この時、各自以下のように調べてくるでしょう。

  • 志望科が決まっていない人は、漠然と教科書通りの虐待の事実を調べる
  • 医療行政に興味がある人は、虐待関連の行政事実を詳しく調べる
  • 整形に興味がある人は、虐待で見られる障害について詳しく調べる
  • 小児科に興味がある人は、臨床現場で虐待を疑うサインについて詳しく調べる
  • 脳に興味がある人は虐待が脳に与える影響について詳しく調べる

同じ「虐待について調べよ」と言われても、志望科が決まっていたら、そこについて詳しく勉強することになるのです。逆に、決まっていないと、「なんとなく知識を得る」ことしかできない。それも大事なことではありますが、「志望科が決まっている=興味の対象が決まっている」と、その調べ学習そのものが楽しくなります。(楽しくなかったら、志望科を考え直すチャンスになります。)

志望科は変わってもよい

「学生のうちから志望科を決めて、変わったらどうするんだ。」という意見もよくわかります。(自分は昔そう反発しました。)

でも、「志望科を(たたき台としてでも)決めないと、志望科を変えることもできないよ」と言いたいです。

実際自分が何科に向いているかなんて、すぐにはわかりません。進路希望が変わることなんて当然のことのようにあるでしょう。ただ、決めようとしない限り、いつまでたっても決まらないものですし、あとで志望科を変更するよりは、早い段階で変更した方が後々楽に決まっています。

結局いつかは決めるのだ

個人的には、志望科は、5年次の実習が終わった段階で決めるべきだと考えています。全ての科を見た段階で決めるべきでしょう。逆に決めないとしたら、「じゃあ、いつ決めるの?」

  • 6年次実習が終わってから?
  • 卒業試験が終わってから?
  • 国家試験が終わってから?
  • 研修医1年目?2年目?

いつかは、志望科を決めることになります。いつかは必ず決めるのです。決めることを後伸ばしにしたら、メリットはあるのでしょうか?志望科を変更する羽目になったとしても、速い段階で志望科を決めて、早い段階で(自分はその科に向いていないことに気が付き)変更すれば、すぐにリカバリーは聞きます。

なんとなく実習して研修して、なんとなく志望科決めて、少ししてから「やっぱり変更します」となるより、早い段階で「やっぱり変更します」を繰り返した方が、自分の理想の科で働けます。

結局自分がやりたいことをやるべきでは

医者は大変な仕事だと感じます。人の命に昼夜・土日祝日はありませんから、科によっては、24時間365日、稼働し続ける科もあります。忙しくない科にしても、大変であることには変わりありません。

ここで、全くやりたくない仕事をするより、やりたい仕事をする方が、人生楽しいでしょう。幸いにも、医学部の人は「仕事を選ぶ」ことができるのが現状です。(科を選択したり、医系行政官や研究・一般就職もできなくはない)

だからこそ、自分がやりたいことは何かを明確にして、はやい段階で自分の人生を豊かにするスタートを切るべきだと感じます。

迷ったら自分の過去を振り返る

「そんなこと言われても、自分が将来何をしたいかなんてわかんないよ」と悩むことは、当然だと思います。ここで、一つポイントになるのは、「自分の過去を振り返る」ということです。(例えば以下)

  • 医学部受験をしたとき、医学部に合格したとき、どんな医者になりたかった?
  • 自分は忙しいのが好き?ゆっくり仕事をするのが好き?
  • 過去にどんな失敗をして、自分はどんな性格?
  • 中学校での部活選択はどういう選び方をした?やりたい部活?楽な部活?友達に合わせた?
  • (部活や勉強を)さぼれるときはさぼった?それとも真面目にしてた?今は?

「過去の選択」は「自分の表れ」です。「僕はどういう人間なんだ・・・」と悩んでも、なかなか答えは出てこないと思います。そういう時は、過去の自分の行動を振り返ると、そこに「自分」がいると考えてよいでしょう。そういう視点で、自分を見て、自分が将来やりたいことを考えるとよいかもしれません。