医学部事情

医学部生は第二外国語をドイツ語にすべきか

入学前、僕は思っていました「第二外国語は、ドイツ語をとった方が良いのではないか」と。「医学=ドイツ語」のイメージがあったからです。今回は、「医学部生は第二外国語をドイツ語にすべきなのか」という事について記事にしていきます。

昔は「医学=ドイツ語」だった!

まず、どうして「医学=ドイツ語」のイメージができたのかを考えてみましょう。その理由として、以下の理由が、一般的には考えられています。

  • 昔、細菌学・微生物学はドイツでバンバン進歩していた。
  • 当時の医学の流行は微生物学であった
  • ドイツで微生物学が発展したように、イギリスでは、「公衆衛生学」が発展していった(=ドイツだけが進歩していたわけではない)。ただ、公衆衛生学は統計学的側面が強く、「科学」として広く認められることはなかった。「医学」の主流はやはり微生物学であった。

このような理由で、その昔、「医学=ドイツ」だったのです。明治時代の日本が、西欧の医学を輸入するとき、ドイツから学びました。

そのため、昔、カルテでは、専門用語をドイツ語で書いていました。そのような経緯もあって、「医学=ドイツ語」のイメージは今なお残っていると言えるでしょう。

現代の学生はドイツ語を学ぶ必要はない!

現在はどうでしょう?

ほとんどすべての、外国語を用いる発表は「英語」で行われています。専門用語として使う時も、日本語か英語です。(稀に先生の趣味でラテン語が授業やカルテに出てくることはある。)

医学用語の中には、ラテン語から派生して生まれた単語は確かにあります、ただ、現在、医学を学びながらラテン語も学んでいては時間に余裕がないため、ラテン語まで学んでいる学生はほぼいません。

つまり、「医学=ドイツ語」の時代はとうに過ぎ去っています。医学部生が第二外国語としてドイツ語をとる必要はないです。

第二外国語は何をとるべきなのか

ここまでで「『医学=ドイツ語』のイメージはあるかもしれないが、必ずしも第二外国語でドイツ語を選択する必要はない」という事は分かっていただけたと思います。

では、どの第二外国語を選択すればよいのでしょう?選択の方法は主に二つあります(一般的な授業選択のやり方になります)。

  1. 興味のある言語に触れてみる
  2. 授業が簡単・試験が簡単な授業をとる

この2つです。(個人的には後者をお勧めします。)ではその理由について見ていきましょう。

興味のある言語に触れてみる

第二外国語の選択の仕方の一つとして、「興味のある外国語を学ぶ」という選択肢がありますが、あまりお勧めはしません。

なぜなら、勉強し始める前は「この言語の勉強をしたい」と思っていても、いざ勉強しだすと、「あれ、あんまりおもしろくないな」なんてことはざらにあるからです。

特に医学部生は、第二外国語まで学んでも、それを活用する機会はほとんどありません。学校で第二外国語を学んだとしても、すぐに忘れてしまいます。

「第二外国語に対して興味を持ち続けて、勉強を続ける」ということは至難の業です。あまり自己の興味を過信しすぎず、堅実単位を取得する方が賢明でしょう。

授業が簡単・試験が簡単な授業をとる

これが最も賢明な第二外国語の選択の仕方です。第二外国語を学びたいなら、(挨拶の仕方など分かるようになりたいなら)市販の本を買って読んだ方がよほど役に立ちます。単位を確実にとるために、授業・試験が簡単な授業をとるようにしましょう。

医学部6年になってから思うこと

「今の時代、ドイツ語なんて全く使わないよ」とは書きました。確かにそうなのですが、実際医療単語の中にドイツ語が英語と混ざって使用されていることも事実です。

実習などで、たまにドイツ語を見かけると、少し懐かしい気分・親しみを持った気分にはなります。その程度のメリットしかないですが、そういう面ではドイツ語選択は良いかもしれません。