以前、英語の医学の小説、エッセイの紹介をしました。
今回は日本の小説です。
「神様のカルテ」なんて映画化までされちゃうような、ああいう本を紹介する・・・・
のも良いのですが、少し渋めの?本を紹介します!
(「神様のカルテ」は好きで読みながらめちゃくちゃないた本なので紹介したい気持ちは山々ですが、「医学生っぽい」「まじめっぽい」小説を今回は紹介させていただきます。)
そんな、考えさせられる本は・・・
「海と毒薬」でございます。
![]() |
遠藤 周作 新潮社 1960-07-15
売り上げランキング : 8642
|
(一応こちらも1986年に映画化されています…..)
追記この本は、「安い」!!!
素晴らしい本なのに400円もしない!漫画単行本一冊より安い!ぜひ、読みましょう!
Amazonの商品紹介を引用させてもらいますと
戦争末期の恐るべき出来事――九州の大学付属病院における米軍捕虜の生体解剖事件を小説化、著者の念頭から絶えて離れることのない問い「日本人とはいかなる人間か」を追究する。解剖に参加した者は単なる異常者だったのか? どんな倫理的真空がこのような残虐行為に駆りたてたのか? 神なき日本人の“罪の意識”の不在の無気味さを描き、今なお背筋を凍らせる問題作。
という話でございます。中身はとても濃いです。
- 「戦争と人間」
- 「戦争と医学(科学)」
- 「医学(科学)と人間」
いろいろな関係を考えさせられます。
今、医学部では「医療の倫理」「生命の倫理」みたいな授業があります。
多少は、戦時中の、このような、人体実験の反省もあるのではないかと思います。
(以下、個人的感想文)
ただ、やはり、「人間」「戦争」「科学」という話は難しいと思います。これらは密接に関わっているからです。
あくまで僕の考えですが、「戦争」は「科学(技術)」を飛躍的に進歩させます。例えば
- 原爆→原子力発電
- 軍事情報交換→インターネット
このように、「軍事目的で開発していたもの」がいつしか民間に利用されていたりします。(我々の身に着ける腕時計も、第一次世界大戦に、一斉突撃をしやすくするために作られたと言われています。)
また、逆に、民間で開発していたものを、面白いと思った人が、軍事産業に応用することもざらにあります。
ラッセル=アインシュタイン宣言のようなものもありますが、やはり、科学と戦争は切り離すことは難しいです。
そして、人間と戦争、を切り離すこともまた、難しいです。私たち人間の歴史の中には常に戦争があります。
人間と科学も切り離せません。我々は科学文明の中で生きています。
そのような、「科学」「戦争」「人間」という関係があります。
この中で、我々人間は、どのようにこれらの関係と付き合っていくのか?我々一人一人が考えなければなりません。
戦争中に、人体実験をしてしまった人間。その人は悪い人と言えばそうですがその人たちだけが悪かったという事でもないでしょう。
戦争(が起きているときの社会)は、科学も人も変えます。
戦争がない社会も、我々を変えますが、戦争が起きているときは、その時なりの、社会による人々への影響があったでしょう。
そんなことが、この本からわかるかもしれません。
考えていることを文章にして書いていき、とりとめのない文章になりました。
いろいろと考えさせられる本です。ぜひ、読んでみてください。
スポンサーリンク
スポンサーリンク